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職業、挑戦者: 澤田貴司が初めて語る「ファミマ改革」

  • 職業、挑戦者: 澤田貴司が初めて語る「ファミマ改革」
  • ●著者:上阪 徹
  • ●出版社:東洋経済新報社
  • ●出版年:2020/5
  • ●価格:1760円(税込)
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  • 本書は、澤田貴司が初めて語る、
    新生ファミリーマートの挑戦を描く物語である。

    コンビニエンスストアは成長の踊り場に差し掛かっている。
    成長の鈍化、店舗数の飽和、営業時間の問題、人手不足……。

    ファミマの年間売上高は約3兆円。
    全国約1万6500店舗で働くスタッフ総数は約20万人。
    年間の購入者は延べ約55億人。

    これだけのスケールの巨大ビジネスを、
    いったいどのようにして変革へと動かしていくのか?

    2016年9月、
    サークルKサンクスと経営統合した新生ファミリーマート。
    その社長に澤田貴司が就任した。

    澤田は、伊藤忠商事を39歳で辞め、ファーストリテイリングに転じ、
    柳井正社長のもとでフリースブームを仕掛けるなど、
    ユニクロの急成長を支えた。

    その後、自ら立ち上げた企業支援会社リヴァンプで、
    「クリスピー・クリーム・ドーナツ」の日本進出などを手がけた。

    現場第一主義を徹底して貫くことで企業を再生させてきた澤田が、
    新生ファミマの改革で重視したのも、現場だった。

    澤田は、全国の店舗を精力的に周り、現場の声を聞いた。
    ここから新生ファミマの躍進が始まる。

    社員とも積極的にコミュニケーションをとり、
    新商品開発、宣伝にかかわり、
    デジタル戦略を強化し、地域とのつながりを深める……。

    澤田がなぜ、ここまで情熱を注ぐのか。
    それは20年前のことが、いまにつながっている。

    ファミマの筆頭株主は、伊藤忠商事。
    その伊藤忠が、かつて伊藤忠を辞めた澤田を指名した。

    そもそも澤田が伊藤忠を辞めた理由は、
    「どうしても小売業をやりたかったから」だったのだ。

    その澤田が20年後、伊藤忠の最重要企業の1つ、
    ファミマの社長を委ねられることになるのである。

    まるで奇跡を描いたドラマのような話なのだ。

    踊り場に差し掛かっている巨大ビジネスを
    大きく変えていく取り組みを広く紹介することは、
    再生を目指す日本企業に大いなるヒントになるだろう。